日本人に多い歯周病
歯周病とはその名の通り、歯の周り(歯を支える歯茎や骨)が炎症を起こし、歯を支えられなくなる病気です。
歯自体に何の問題もなくても、歯周組織の炎症が進行すると自然と歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。
しかも、自覚症状がないまま進行してしまっている場合が多く、痛みや腫れといった症状が出たときには既に手遅れとなり、抜歯をしなくてはならないケースも数多くあります。
そんな歯周病の原因は「歯垢(プラーク)」と呼ばれる、歯の表面に付着する細菌の塊であることがわかっています。
歯と歯茎の隙間に磨き残しがあると、そこに多くの細菌が集まって歯茎周辺が炎症を起こして赤くなったり、腫れ歯肉炎と呼ばれる歯周炎の前段階の症状が起こります。 この段階でしっかりと治療を行えば、歯茎は元通りになります。
しかし、そのまま放置しておくと、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間の溝が深くなり、歯を支える土台である骨が溶けて歯が動くようになり、最終的には自然と歯が抜け落ちてしまいます。
こんな症状ありませんか?
- ブラッシング時に歯茎から出血がある
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯茎から膿が出る
- 歯の間に食べ物が挟まりやすい
- 昔より歯が長くなった
- 起床時、お口の中がネバネバする
- 歯がグラグラする
- 歯が浮いた感じがある
- 口臭があると言われる
これらは歯周病の典型的な症状です。 歯周病はむし歯と違って痛みがないまま進行するため、早期発見・治療が重要です。 当院の院長は歯周病を専攻しておりましたので、お困りな事があればお気軽にご相談ください。
歯周病の検査から治療まで
歯周病は「健康」「軽度歯周炎」「中等度歯周炎」「重度歯周炎」の4つに分類されます。
その重症度を見極めるためには、以下の検査を行います。
- 歯周ポケットの数値
- 歯周ポケットからの出血の有無
- 歯の表面に付着している歯垢の割合
- 歯の動揺度
- レントゲン写真による歯周辺の骨の状態
通常の場合、初診時にこれらの検査を行い、歯周病の病状を把握します。
歯周病の治療は、患者様ご自身が正しく病気を理解し、毎日のブラッシングや食習慣などの生活習慣を見直し、改善することから始まります。
それと平行して、歯科衛生士による歯垢や歯石の除去を徹底的に行っていきます。
重症度や治療過程での再評価により、治療継続の判断を行います。
重度の歯周病の場合、外科的に歯茎を切開して細菌の除去を行う場合もあります。
当院の歯周病治療方法
スケーリング
スケーラーと呼ばれる特殊な器具を使用し、歯周ポケットに付着したブラッシングだけでは落としきれない歯垢や歯石を除去します。初期の段階であれば、日々の正しいブラッシングと、この処置を行うだけで、歯茎の腫れなどが落ち着いてきます。
ルートプレーニング
スケーリングでは除去しきれない、歯周ポケットのさらに深部に溜まった歯垢や歯石を除去し、表面をツルツルに磨き上げます。この処置によって歯周病の進行を抑え、汚れの再付着を防ぎます。
フラップ手術
歯周ポケットがかなり深くなっている場合、スケーリングやルートプレーニングだけでは歯石を落とし切ることができません。 その場合、局所麻酔をし、歯茎を切開して、歯石や感染した箇所を取り除きます。終了後、歯茎を縫合して完了です。
GTR法
失った歯周組織(歯根膜や顎の骨)を再生させるため、メンブレンと呼ばれる人工膜をつけ、余計な歯茎が入り込まないよう場所を確保します。
個人差はありますが、数ヶ月ほどでこの膜の下に歯周組織が再生されていきます。非吸収性のメンブレンの場合、再生後に撤去する必要があります。
エムドゲイン法
失った歯周組織を再生させるための治療法には、エムドゲイン法というものもあります。こちらは、エムドゲイン・ゲルというタンパク質の一種を歯根の表面に塗布することで、初めて歯が生える時と似た環境を作り、新しく健康な歯周組織を再生することができます。
口臭が気になる方は注意
ご自身の口臭について気にされたことはありますか?
恐らくご自身の口臭は気にしたことがなくても、他人の口臭を不快に感じた経験はあるのではないでしょうか。
口臭の原因は、次のようなタイプに分けられます。
生理的口臭
心因的口臭
病的口臭
歯周病などが原因となって起こるものです。この口臭の改善には、歯科医院での専門的な治療が必要となります。
あまり知られていないことですが、多くの場合、口臭の原因は歯周病による「病的口臭」と言われています。
歯周ポケットが4ミリ以上の深さになると、腐った玉ねぎのような強烈なニオイを発生するようになります。
逆に、歯周病を改善すれば、口臭の改善にも繋がります。口臭のお悩みをお持ちの方はぜひ一度ご相談ください。